第10話 – 爆弾はどこだ?
2021.09.26
香港から突然の電話です。
「御社の製品に危険物が入っていることはありますか?」
何を言ってるか分かりません。
そもそも検温機は危険物は含みませんので、ご安心下さい。
こちらは、先日中国の工場を出たはずのオリジナルプロダクトdotCubeが日本に届くのを心待ちにしている状態でした。
出荷はされているけど、なぜだか香港の空港で止まっている。
理由が分かりませんでしたが、理由は「爆弾」でした。
そもそも、2020年のコロナ禍において流通網は混乱しておりました。
QHTの時もオンスケジュールで海外から製品が届いたことはありません。
アメリカへの発送なんかは下手すると2ヶ月後に届いたとの噂もあります。
正直、アメリカにクリスマスプレゼント送ったんですが、結果届いたのか不明でした。
それほど、流通に関しては混乱しておりまして。
急ぎのものは、弊社でも直接税関に取りに行くというはザラでした。
2億円分の商品を大阪まで取りに行って、レンタルトラックにパンパンに詰めて、夜中に静岡に届け、そこから検品検査してお客様に届けるなどという無茶なことは結構やっておりました。
事故ってたらアウトだったなぁと今更ながらに思います。
流通の難しさ。
私たちは意識しておりませんが、流通ってすごく重要だと気づいた2020年だったのですが。
爆弾の件は最後まで引っ張りますw
何気なく黒猫さんとか佐川さんとか郵政が届けてくれる、その荷物の裏に素晴らしいけど訳のわからないほどの仕組みが成り立っているのが流通です。
僕らの製品も、中国の工場から一度静岡の工場に入って、そこからテスト、内容物封入、保守管理システム登録、ラッピングなどさまざまな工程を得て、今度は販売店さまであり、楽天などのネットショップ、アマゾンなどの倉庫、はたまた直接エンドユーザーであったりと届けていきます。
商品がいろんなところに移動をして、そこで作業をしてを繰り返していく訳です。
今思えば、商品は本当にさまざまなところを経由してお客様のところに届くんだなーと感じます。
ちなみに、この手の作業は地の利があって。
地元で付き合いの深いそういった業者が多いところでやるか、もしくは全部を一括してできるような業者に依頼するかの2択かなと思う部分ですが。
弊社では、静岡でそういったことをやっている業者さんとの付き合いが深かったので。
あ、そもそも小生がやっていた仕事は産業用包装紙とか呼ばれる分野でもありましたので、その卸先のお客様がたくさんいたんですね。
なので、苦労しませんでした。
どうしても、最初は与信やら何やらで苦労するところを、地元の信用だけでなんとかできたのは大きかったのかなと思う訳です。
海外からの輸入に関しては、輸入手続きも色々と大変でしたし、関税の支払いも最初はよくわからないまま超大金を玄関で払ってましたし、今ではもちろん普通にスムーズに流れるようにはなりました!
逆に輸入関連のビジネススキルが会社として身についたと言っても過言ではないでしょう。
爆弾の話に戻りますが。
爆弾の正体は
前回お話をした盗難防止タグの暴走でした。
3000個一括で送ったのですが、その中のどのマシンの防犯タグかは分かりませんが、音がなっているせいで飛行機に乗せられないという訳です。
中国の工場から人員に香港に飛んでもらい、一つ一つ段ボールを開けてチェックを繰り返すこと3000個。
実際には2300個くらい開けた時点で音は止まったらしいですが。
結果、3日間の配送のズレ。
リリース11月2日だったのに、結果11月5日にリリースする結果となりました。
まぁキツキツでスケジュール組んでいる時点でアウトだったのですが、当時世の中はコロナ禍において「遅延」は当たり前になっていて、お客様にはお許し頂いた訳ですが。
「音が鳴るものは、ならないようにして箱に入れること」
これ至極重要です。
そうして、ようやく製品は弊社に届きました。
これで販売活動に移れます。
企画から3ヶ月ようやく売れるものになった瞬間でした。